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【映画レビュー】ボーダーラインのあらすじ・ネタバレ・解説【絶対正義はない世界】

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映画ボーダーラインのあらすじ・ネタバレ・解説

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映画ボーダーラインの評価

70/100点

映画ボーダーラインのキャスト

出演: エミリー・ブラント, ベニチオ・デル・トロ, ジョシュ・ブローリン
監督: ドゥニ・ヴィルヌーヴ

主演のエミリー・ブラントはオール・ユー・ニード・イズ・キルでも女戦士を務めていましたので十分銃を構える姿は様になっていました。

『灼熱の魂』『プリズナーズ』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督であり、これも内容は十分期待できると思いました。

映画ボーダーラインのあらすじ

優秀なFBI捜査官のケイト(エミリー・ブラント)は、メキシコ麻薬カルテルの全滅を目的とした部隊に入り、特別捜査官(ジョシュ・ブローリン)のもとで極秘任務に就く。ケイトは早速、謎めいたコロンビア人(ベニチオ・デル・トロ)と共に国境付近の捜査を開始。人が次々と亡くなる現実を突きつけられたケイトは……。

 (Yahoo映画より) 

映画ボーダーラインのレビュー・ネタバレ解説

振り返りながら映画のレビューや解説をしていこうと思います。

舞台はメキシコ、FBIとして優秀なケイトは麻薬カルテル撲滅のための特殊任務に抜擢されます。

本作ではリアルさをかなり追及しているので、迫力の映像は満点です。

メキシコの街を黒塗りの車6台と戦闘車両が6台ぐらいで一列に走る映像なんかは迫力抜群です!町を走りながら並走してくる車、追い越してくるバイク、街に入ると死体がハイウェイから吊るされていたりとどこまでも気が抜けなく、一人で見ていてハラハラドキドキしました。

映画というよりは自分も車野中にいるかのような臨場感です。それは映像の撮り方だったり、音楽の入れ方だったり、色々な取り方があるからでしょう。渋滞にはまるともはや臨戦態勢です。言うてもただ渋滞にはまっただけですよ?周りにいるやばそうなやつらはみんな銃を持って構えています。そして一瞬の出来事。彼らが銃を上げるが先かのタイミングで発砲、銃撃戦にもならない一方的な虐殺でした。

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ケイトは言います。「完全に違法な銃撃だった、民間人がいっぱいいる中で発砲するなんて戦争でも始める気?!私は軍隊ではなく、FBIなの」と。

その後アメリカでの作戦中もそうでした。銀行からマネーロンダリングで金を引き出した犯人を逮捕したにも関わらず開放することになりました。

ケイトはこれまでのいきさつや違法性を上司に直訴し、これまでの不合理を説明したところ跳ね返されます。これらは、ある政府高官直々の作戦であること、麻薬戦争のケリをつけるために大物をおびき出すことを最終目的にしているとのことでした。

その後もケイトのもやもやは収まりません。自分を囮に警察内部の裏切り者をあぶりだすのに使われたり、CIAの国内活動のためにFBIのメンバーが必要とのことで単に利用されたり。

 最後の敵本拠地への突入もとても臨場感のある撮影方法でした。時に主観でのシーンや暗視ゴーグルの見え方にしたり、と あたかも自分が敵の本拠地に潜入しているかのような撮影の仕方はドキドキしながら見ることができました。

 このような取り方は映画「ゼロダークサーティ」でもあり、本格的なものだと映画「ネイビーシールズ」のような取り方でも実践されている最近ではよくやられている撮り方でしょう。

さて話に戻ると、CIAの部隊が突撃し、そこで衝撃的な出来事が起きます。アレハンドロがなんと麻薬が詰まった車で逃走したのです。ケイトは止めようとしますが、さらに驚くことにアレハンドロがケイトを撃ちます。

 ケイトが理由を問い詰めるとアレハンドロはなんとコロンビアの麻薬カルテルの人間だと言います。彼は個人的な復讐からメキシコの麻薬カルテルをつぶしたいと思い、CIAと手を組んでいたのです。

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 最終的にアレハンドロは見事麻薬組織のボスを見つけ出すことに成功し暗殺します。

 ラストシーン、ケイトがアレハンドロに銃を向けるシーンがあります。アレハンドロは動くことなく撃たれるのを待ちます。ついにケイトは引き金を引きませんでした。

 

映画ボーダーラインのお話の見どころ

本作の見どころはケイトが世の中の矛盾に翻弄されるところでしょう。キャストの時にも書きましたが、オール・ユー・ニード・イズ・キルの時の彼女は最強の女戦士として描かれており、本作でも優秀なFBIを演じています。しかし、彼女は腕は一流でも所詮は一人の兵士に過ぎません。今回は目の前の麻薬事件をただ解決するのではなく、根本的なカルテルの殲滅を目的に作戦がスタートするので、法規的にも倫理的にも通常の判断を超えた判断で行われるものでした。

例えばコロンビアの麻薬カルテルの人間と組んでメキシコの麻薬カルテルを殲滅するなどあってはならないでしょう。町中で後先考えず銃撃していいわけがありません。大物を捕まえるためとはいえ、目の前の犯罪を見逃していいわけがありません。

これらはすべて「メキシコの麻薬カルテルを殲滅するため」に行われる超法規的判断だと言われ、彼女は苦悩します。

これまで彼女は善悪のはっきりした世界で生きてきました。

自分はFBIで相手は犯罪者というわかりやすい善悪です。しかし今回は善(FBIやCIA)と悪(コロンビアカルテル)がもう一つの悪(メキシコカルテル)を倒すという話で、もはやその境界(ボーダーライン)がありません。

特に外交ではそうなのでしょう。社会は法律により縛られますが、それは国ごとに独自に決められているものであるので、それが及ばない部分では善悪の境目は極めてあいまいになります。単に法律が「麻薬はだめ」というから麻薬を使う人が悪になってしまうのです。

今回の場合はメキシコからアメリカに大量に麻薬が流れてくることを防ぐためにコロンビアのカルテルと協力したのであって、それは単にアメリカの社会的秩序が守られるという利益があるからに過ぎません。正義というものは改めて相対的に決まるものであり、その点を忘れてはいけない警鐘を鳴らす作品になっています。

映画ボーダーラインの最後に

色々書きましたが、正直思ったよりもケイトが翻弄されて彼女の戦闘シーンは序盤で終了です。そのため、作品としては骨太でも見ていて単調と感じる人もいるかもしれません。そういう意味で見る人を選ぶ作品だと思います。