映画ドアロックのあらすじとネタバレ感想【韓国ストーカー物語】

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 評価

★★★★☆

ストーカーの恐怖という題材としては使い古されたもので、シナリオも正直よくありそうな展開でしたが、それでもしっかり丁寧に作られている作品のため安心して見ることができました。

韓国映画がアカデミー賞を取るほど最近は良作が多いです。

スリラーとしておすすめの作品です。

あらすじ

銀行の契約社員で働くギョンミンはアパートで独り暮らしをしていました。

ドアのカギはコードロック式ですが、ある日ドアのコード入力のカバーが空いていることに気づきます。

誰かが侵入を試みたかと思うと、怖くてしょうがないギョンミンですが、警察もまともに取り合ってくれません。

仕方なく業務にいそしむギョンミンですが、ある日積立口座をすすめたお客さんと揉めてしまいます。その客は気性が荒く、暴行の前科もあり、ギョンミンにしつこく付きまといます。

ある日、その客がギョンミンを待ち伏せしており、声をかけられますがギョンミンの上司の課長が助けてくれます。

ギョンミンを家まで送ってくれた課長ですが、ギョンミンが家を空けたわずかな時間に殺されてしまいます。

ギョンミンはストーカーの仕業と思い、同僚とともにストーカーの正体を突き止めようとします。

しかし、ストーカーを追跡しアジトを突き止めたギョンミンですが、そこで手を縛られ、足を切断された衰弱した女性を見つけます。

直後その女性の死体が発見され警察は殺人事件として、ストーカーを探しはじめます。その第一容疑者として例の銀行でもめた客が挙げられるのでした。

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結末ラスト

指紋など決定的な証拠が得られない警察は仕方なく例の客を解放しますが、彼はその直後ストーカーによって殺されてしまいます。

ギョンミンがふと買い物をしていると前のマンションの管理人が声をかけてきます。

彼が不振に思ったギョンミンは店をでます。

家に戻ったギョンミンは警察からもらった部屋に取り付けて監視カメラを見ます。

するとそこにはギョンミンの家にいる例の管理人の男が。

しかもその男はギョンミンのベッドの下に隠れていました。

慌てて逃げ出すギョンミンですが、管理人の男に捕まってしまい、廃墟に連れていかれます。その頃警察も管理人の男の足取りを調べて廃墟に駆けつけるのでした。

ネタバレ感想

韓国発のスリラー「ドアロック」です。

20年前ならいざしらず昨今ではストーカーという言葉は聞きなれてしまっていますが、改めて映像で見るとストーカーとは怖いなと感じる作品でした。

以下物語のネタバレを含みながら映画の感想と解説を伝えていきます。

安定のシナリオ

序盤、コン・ヒョジン演じるギョンミンの演技は安定していました。

平凡な女性、忍び寄る恐怖、日常に感じる違和感、でも決定打ではない、誰も頼れない、などじわりじわりと背中にイヤなものを感じる展開です。

それがはじめて浮き彫りになるのは銀行での一件です。

ギョンミンが営業をかけていたお客さんが実は低所得者であるとわかると一転ギョンミンの態度が一転、客がその態度に激怒します。

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ここでわかりやすくギョンミンにとっての「敵」が出てきます。

当然映画を見ている人からすれば「かませ犬」であることは明白なのですが、ギョンミンの欲しい答えとしてのスケープゴートとして彼は見事に役割を果たします。

そして、わかりやすい彼の暴力性やギョンミンにつきまとう非社会性も同時に進行しつつ、ギョンミンに本当の魔の手が伸びる、という展開です。

細かい伏線

ギョンミンのはじめの違和感はカバーの開いたキーロックでした。まるで誰かが入力したように開いており、しかもその後触ったボタンがあとでわかるように粉まで振りかけられていました。

たしかに暗証番号方式の場合入力した4桁の番号さえわかってしまえば、あとは多少の類推で番号をあてることができます。

しかもその後もギョンミンは母親との電話や廊下での警察との会話の中でも暗証番号を口走っています。

そして管理人がオーナーに夜中抜け出していることがバレて怒られていたり、警察が来たことを黙っていたりと、見終わったあとになるほどと思う仕掛けが施されています。

本当に怖いストーカー

揉めた客はカッとなりやすく、暴力前科もあるわかりやすい人間です。ですが、今回のストーカーは監禁した女性の足を切り落とすなど残忍極まりない、どこか歪んだ人間の一面を持っています。

実は見終わってみるとこの二人の男がともに非社会性を持っていても全然違うタイプの人間というのが映画として深みを与えていることに気づきます。

そして、本当に怖いのは目の前で暴力を繰り広げる男よりも、こっそりとベッドの下に忍び込んだり、寝ている間に部屋に侵入する男だということに気づいてこの映画の怖さを知ります。

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 韓国社会の闇

さて、少し脱線しますが(もちろんストーカーは犯罪だという前提で)ギョンミンの銀行での態度はたしかにお客さんを勘違いさせるものでした。

実際自分との共通点を話、プライベートの話までされては「じゃあコーヒーでもどうですか?」といったお客さんの気持ちもわからなくもありません。

実際日本の銀行も基本的に富裕層向けターゲットで、貧困層は無視の経営方針を打ち出しています。これは欧米の資本主義では必要なことですが、欧米ではそもそも富裕層と貧困層ではそのラインを明確に設けているので改めて貧困層が「俺らも相手にしろ」なんてことは少ないわけです。(そもそも住む場所も違いますから)

一方で日本や韓国はそこまでアッパータウンとダウンタウンが別れていないためこういう同じ銀行の同じ窓口で違った対応をされるわけです。これはギョンミンが悪いというよりも社会構造の問題とも言えますね。

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最後に

映画ドアロックはストーカーの恐怖を描いた秀逸なスリラー映画です。

配給がアルバトロスだったので期待値が低かったというのもありますが、安心して見れる作品です。

ただ、1人暮らしの女性が見ると家に帰るのが怖くなるかもしれませんので要注意です。