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映画ザ・カニバル・クラブのあらすじとネタバレ感想【人喰い大富豪】

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 ザ カニバル クラブの評価

 ★★★★☆

ブラジルの大富豪たちが貧しい人たちを殺してはその肉を食べるという話。

根底にあるブラジル社会での貧富の格差を風刺している作品です。

映画ホステルも大富豪が人身売買で買ってきた人間を殺して楽しむ映画ですが、金持ちになると頭がおかしくなってしまうのでしょうか?

終始シュールな展開ではあるものの、どこかコミカルな部分がある絶妙なバランスの映画です。 

 ザ カニバル クラブのあらすじ

 ブラジルの青い海に面した豪邸に住んでいるオタビオとギルダの夫妻は警備会社をしているお金持ちです。

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2人には秘密がありました。

ギルダは家の使用人と肉体関係を持っており、オタビオはその使用人を殺してその肉を調理して食べるという特別な趣味がありました。

ある日彼らは知人のボルジェスが主催するパーティに参加します。

オタビオとボルジェスはお互いに貧しい人たちの性交を見た後に彼らを殺して食べるという「カニバルクラブ」に所属していました。

 そんなボルジェスの誕生日パーティに参加したギルダは一人酔いを醒ますために外に出てふと機械室で物音がするので覗いてみると、そこにはボルジェスとオタビオ家の警備員のルシヴァルドが性行為を行っていました。

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驚いた彼女は持っていたグラスを落とし、ボルジェスに気づかれてしまいます。

ボルジェスは手段を択ばない男であり、オタビオは口封じを恐れていました。

しかし、平生を装いながら、いつものカニバルクラブに顔を出します。

その会は選ばれた者だけが出席でき、詳しい場所も当日にならないと知らされませんでした。

会場ではカメラの前で性行為を行う男女がおり、舞台裏では大きな斧を持った男が待機しており、時が来るとその男女を殺害します。

その後席に着いたカニバルクラブのメンバーは一人づつ料理された人肉を取り、食事を済ませました。 

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翌日オタビオは新しい使用人を探し雇いました。

彼はジョナスと言い、新たにオタビオ家の使用人として働き始めます。

オタビオはこのままではボルジェスが妻の口封じに来ると考えていたためジョナスにも銃を持たせて警備に当たらせます。

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その夜、いつものようにギルダが使用人を誘惑して性行為に及んでいると武装した二人組が侵入してきて、警備員を殺します。

そして、ギルダの元へ来た侵入者はジョナスが殺害して撃退します。

翌日オタビオはボルジェスの仕業だと恐れているとギルダがある提案をします。

それはボルジェスの差し向けた刺客にギルダが殺されたと嘘を言い、犯人の一人を拘束しているとボルジェスに伝え、おびき寄せるというものでした。

そしてその計画すべてをジョナスの犯行に見せかけ彼を殺して食べてしまおうというものでした。

結末ラスト

計画通りやってきたボルジェスはジョナスによって射殺されます。

オタビオはジョナスに指示し、彼に死体を埋めさせます。

その夜いつものようにギルダはオタビオをベッドにより性行為に及びます。

そして、後ろからは大きな斧を持ったオタビオが近づいていきます。

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振り下ろした斧に対してジョナスが反応し、斧はギルダに刺さります。

呆然とするオタビオにジョナスは発砲し夫婦とも死んでしまいます。

朝になり、これからどうしていいかわからないジョナスは一人プールサイドに座り込んでしまいました。

 ザ カニバル クラブのネタバレ解説・感想

 文字通り、カニバルクラブとは食人の集まりという意味で、この映画でもお金持ちの使命感というか道楽で人を殺し食べるという趣味を持った人たちのお話です。 

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カニバルクラブの目的

 作中でもボルジェスが声高に言っていましたが、カニバルクラブの存在は単なる娯楽ではなく、上流階級の彼らの結束を高める目的と、彼ら指導者側の敵や秩序を乱す反社会的な人間への攻撃を行う場所であり、その中には政治的な敵だけでなく男色家も含まれています。

その表現が、貧民の男女を金で雇い、性行為をさせ、それを見た後で殺して食べる、というのはどうなんだろうと、、、、、という意見は置いておいてこれは人間に屈辱を与えるのには効果的です。

貧民への屈辱的扱い

本作は大富豪が金の力に物を言わせて貧民たちをいたぶる映画です。

一言で言えば単なる「人身売買」であり、映画ホステルあたりはこの手の映画と同じです。

さて、金持ちが貧民を殺して、その場面を観察するというのはよくありますが、この映画では2つの面が追加されることで人間の尊厳を踏みにじります。

一つ目は性行為を見せものにするということ。

二つ目は殺した相手を食べるということ。

いずれも人間にたいしてのものではなく、獣に対する扱いです。

あくまで人を殺す行為というのはギリギリで相手を下に見つつも、人間であることを認めています。

しかし、これら2つの行為はもはや獣であるという前提であり、しっかりシュラスコのように料理された肉は牛や豚の肉と同等に扱われるのでした。

ここまで人間を屈辱的に扱った作品は珍しいです。

ボルジェスの抱える矛盾

少し整理すると、なぜボルジェスはオタビオを殺そうとしたのでしょうか?

それはカニバルクラブの目的の一つに男色家(ゲイ)を抹殺することが含まれており、ボルジェス自身がその掟にそむいていることをギルダに見られてしまったからです。

カニバルクラブは厳正な会員資格が求められ、(殺人までしてるわけですから)ボルジェス自身も粛清の対象になる可能性があったのです。

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 ブラジル社会の闇

作品としてはホステルのようなバイオレンス描写がウリではあく、あくまでも貧富の差が激しくなったブラジル社会を風刺しています。

金持ちが仕事を餌に貧しい人間を誘い込み、金と美しい妻を餌に最終的に解体ショーを行う。そしてそのあとは「スタッフがおいしくいただきました」よろしく食べてしまう。さすがに現実ではありえないかもしれませんが、それほど貧民の扱いはひどいのかもしれませんね。

では生き残ったジョナスはラッキーだったのでしょうか。

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確かに生き残ったことは幸運ですが、彼は折角見つけた仕事を失ってしまい、しかも殺人の罪までつきます。

彼のような貧民は富豪を殺せばどんなに正当防衛だろうが有罪は間違いないでしょう。そもそも裁判でまともに戦うお金すらないでしょう。

つまり、ジョナスのような貧民たちは生き残っても死んでもいずれも不幸なのです。

それがラストプールに座り込むジョナスの姿から見て取れます。

 

最後に

タイトルからはゴア描写を想像しますが、実はそれほどゴア描写は多くありません。

むしろ、人間の肉をこんがり焼いたものが出てくるのでそっちのほうが「グロ」かもしれません。そこらへんの耐性がある方のみご覧ください。